2008年3月17日 (月)

日本科学未来館「ものづくり展」

経済産業省主催のものづくり日本大賞のシンポジウムにいく。おもしろかったです。シンポジウムの主催の難しさを最近友人と話していましたが、パネラー、司会とメンバーが優れているとほんとうまくまとまるもんだと思いました。この間の森美術館とかトークという意味では素人だったんで、やっぱり切り替えしや場の盛り上げ方、まとめ方の頭が回りきらなくてだめですが、今日は残間江里子さんでパーフェクトでした。ほんとうに知識や機転、頭の回転の切れ味もすばらしい。ほんと、日常的にこういう人に接していないとしみじみ思いました。さみしいことです。パネラーは、ほかには、車のデザインで有名な奥山 清行 氏、ルー大柴 氏、あとの2人は受賞者で藤田 和久 氏(NPO北海道義塾大学校 事務局長)木村 博彦 氏(株式会社木村鋳造所 社長)でした。ここでルー大柴を絡めるところがすごいと思いました。基本的には、高校生ぐらいを対象にしたシンポジウムなんで、ルー大柴ぐらいがいないと、学生には眠くてかわいそう。だけどルー大柴もすごい人だと思いました。やっぱり、場の空気を読むというか、話の流れをつかんで笑いをとるのがうまい。どんなフリにも完璧な返し。さすが、プロだと思うし、人としても立派なひとでした。 あと、カーデザインで有名な奥山さんもすごく話が切れた。さすが、と思うキーワードの羅列だった。なかなか、おもしろかったです。奥山さんの話もほんと講演なれしているとはいえ、すばらしかたです。ほんと、世界をとる人はすごい。一流の人、それは、職人だろうが政治家だろうととなんだろうと職業人として一流であれば人間としても一級の魅力があるというのに納得しました。みんなすごかった。さて、展示もみました。おもしろかったのは、この山下工業所です。会場の一番最初にまさに輝いています。新幹線の0系から先頭車両をアルミのたん金だけでつくっている。機械化より人の方が安いというのもすごい。展示全体の構成は、あまり面白くなかったです。やっぱり、その受賞のモノのそのすごさがよく伝わらない。シンポジウムで配ってもらった小冊紙のできがよかった。この基調展示のようなシャンパンタワーは、なんか、この賞の趣旨とあっていない気がした。たしかに、タワー状を上から下へ積み上げられた1つ1つの技術を流れていくというコンセプトは正しいけど、シャンパンタワーというものがものづくりの現場とあってないのが気持ち悪かったです。だって、この展示されてるものを作っている人たちはシャンパン飲むタイプの人たちじゃないもの。そういうセンスのずれって本当に気持ち悪い。最後の写真が米沢織の織元山口の山口さんの作品。本当はこの作品をみにいったんですが、このアルミのチェロをつくった山下工業にあっとうされました。日本車輌製造のN700系のDVDと合わせてみると感激倍増ですので、この世界観を満喫したいと思う方は、ぜひ、どっぷり本物の世界に漬かってほしい。さて、この地に足がついた受賞者の人たちの経済産業省のお役人の国策「ものづくり」は、うまくいくのかなぁ。経済産業省のお役人もきてたけど、やっぱホワイトカラーな感じだし、本質的には、職人とか製造業は彼らにとっては遠い他人事だし、そういう意味で役人ってプロな感じがしませんでした。 P1000966 P1000971 P1000981 P1000977 P1000980 P1000982 P1000978 P1000975 P1000984 P1000967

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2007年10月 1日 (月)

東京大学  cSUR 展

東京駅の新丸ビルと丸ビルの間の行幸地下通路で、東大の cSUR展というのをやっていました。 サブタイトルは、世界の都市空間/持続再生の試み。 2003年に東京大学・国際都市再生研究センターというのができて、 世界中の都市の持続と再生方法を探求しているらしく、 その成果が本に出版されるので、そのイベントと発表として、展示を やっているようです。 10月14日までなので、これから毎週土日に講演会があるようです。 りっぱなリーフレットがもらえます。 展示は、ただグラフィックを並べているだけなので、あまり 読む気がしません。でも、リーフレットは、わりと面白く、本もそこそこ 面白いかも。「ブラウンフィールドの再生」という項目があって、「ブラウンフィールドの再生」 =元重工業地域で、その産業の衰退と共に都市が衰退したが、活性化(再生)した 地域のことみたいなんですが、事例で恵比寿のガーデンプレイスがでてましたが、 あそこは、地価があがったから、工場やめたんで、ブラウンフィールドというよりも 新しいパブリックスペースというカテゴリーの方がいいような気がします。 タイトルだけなんで、実は、中身が分かりませんが。 でも、こんな調査で世界中を調べてまわれるのは、楽しい。 82 083 86 84 85

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2007年9月 4日 (火)

日本未来館「サイエンスニュース!アジア展」

企画展 『サイエンスニュース!アジア展 〜アジアの力、科学の力、を伝えます』 率直な感想としては、久しぶりにつまらない展示をみました。予想以上につまらな かった。 なにがいいたくて、なにが伝えたいのか?伝わってこないし、展示場でみる魅力が なにひとつない。 HP上の構成のほうが見やすいし、いいたいことがわかりやすい。 プランニングを展示空間にすることの意味がわかっていない感じ。 空間デザインは、脳展のパクリみたいな感じで、インパクトなし。 モニターや映像が多様してあって、とにかくお金だけは、ふんだんにつかった展示 という印象。 大型地球映像が床に投影してありましたが、空間が明るすぎで効果半減。もったい ない。 さて、この中で、興味をもったのは、このパンダの赤ちゃんの液浸。 これは、上野のホアンホアンの最初の子どもで生後2日目でホアンホアンの下敷き になって死んでしまった赤ちゃん「チュチュ」。 たった2日で、お母さんの下敷きで死んでしまったかわいそうな命なのに、なんて 、幸せそうな顔して液浸になっているんでしょう。 とても不思議。たった2日で死んでも、それでも、この「チュチュ」は幸せな生涯 だったのかと思って、感慨深かったです。 液浸も顔が見えるように展示してあり、この液浸標本を管理する人は、この顔をみ せたかったのかな、と思いました。 P1110578 P1110577 P1110582 P1110581 P1110571 P1110583 P1110558 P1110566 P1110568 P1110562 P1110585 P1110578_2

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2006年2月15日 (水)

ルイス・カーンはウサギ「マイ・アーキテクト」

P1020300 P1020301 マイ・アーキテクトはとても面白い映画でした。

映画の中で、ルイスカーンのことを「うさぎ」といういう人がでてきます。おもちゃ屋の店先で太鼓をたたいてくるくる回るようなあの“ウサギ”です。私もなんだかルイスカーンは、“ウサギ”っぽい気がします。

それは、「不思議の国のアリス」に出てくる、“ウサギ”で、あの世とこの世、現世と異次元をつなぐ案内人が“ウサギ”の仕事だからです。そして、一体何を急ぐのか、時間に追われて忙しく動き回っている姿は、まさにアリスの“ウサギ”みたいな気がしました。

あと、この映画をみて思ったのは、「建築は、男の人にしかできない仕事(男性的な感性がないと出来ない仕事」で、きっと神様ってのも男だと確信しました。「無から有を生み出すこと」=そこに存在する根拠が、誰にもまだ明快ではないときに、そのものの存在する必要性を周りの人に納得させ、立証し、必要性が疑われる中、その軋轢を無視して創造し続ける無謀さは、神さまと男にしか出来ない愚行であり、偉業なんじゃないかと思う次第です。(すっごい男の人に怒られそうな発言ですが)

でも、最近の混雑する都市の隙間を埋めるように建設されるものは、女性的なやりくり上手な小さくまとまるようなバランスのいい感性がないとうまくいかない気もします。

映画を見た直後は、「女の性(サガ)がよく描けている映画だと思いました。

女って生き物の本質的なところが出ていて、いろんなパターンの女の人がこれでもかと、出てくると思いました。

たとえば、、本妻さん=「すでに愛されてもいない夫との法的関係と自分の社会的立場に固執する女。」

最初の愛人さん=「捨てられて、別れて30年以上たつのに、別かれたくなかった、別かれたのは辛かったと思い出していまだに泣く女」。

最後の愛人さん=「ルイス・カーンは私と結婚していっしょに暮らすつもりだった。と、今となっては、それが真実か確かめようもなく、実現することすらない、過去の愛された記憶にすがり、現実世界から逃避しているP1020310P1020306P1020307

この3人の女絵巻を客観視するもっとも身近な女秘書。

言いたい放題の親族の女性。愛した事実を肯定し、否定してはだめという親戚の女性。。

こういっちゃー、もとも、こものないですが、女性がもついろいろな側面が赤裸々に見えて勉強になりました。映画を見にきていた善良な建築学生さんは、そんなところはちっとも見ていないで、カーン建築に見ほれていたのではないかと思いますが。。

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2人の姉の女性も、この映画をナサニエルという年の離れた父親をあまり知らない弟が撮影するから協力したんであって、どっちかの姉が映画を撮るといったら、どっちかの女は協力しなかったと思う。女なんて、そんな生き物じゃないかと思う。

出てくる女性は、みな知的な印象だけれど、やっぱ男ではない、と思いました。

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「アメリカ吹奏楽団のための船」が傑作だと思いました。

この映画の音楽を評価する友人がたくさんいますが、私も第九が流れてきたのが印象的で耳に残っています。P1020318

あと誰もがすごいと思うのは、この山荘の別邸とバングラデシュの国会議事堂とこのDSCF1385ソーク生物学研究所の空間だと思います。この空間をみて思い出したのが、沖縄海洋博の跡地の営沖縄記念公園の広場です。左右に開けた空間の向こうには、沖縄戦のとき、顔の半分を失ったような米軍の爆撃で島の左側が欠けてしまった島が見えます。

左の写真が沖縄海洋博跡地公園です。

この空間に立ったとき「なんで尊大な、傲慢な空間!」となんだか、不愉快な気になりました。

そして、ルイスカーンのソーク研究所をみて、ああ、建築家が若いときにこういうの見て、影響されるんだと思いました。神を感じようとまねっこするけど、感じていないんだもの、無理してはいけない。ただの為政者の傲慢な空間ってこういう背景で生まれるのかしらと思いました。何一つ、神様も自然も賛美していない、と思いました。

建築の人と仕事をすると軸線とかやたらこだわる人がいますし、空撮しないとわからないような軸線は混雑する都市空間で見つけ出しても自己満足な気もしますが、私には正解はわかりません。すべてが廃墟になってもの残るバングラデシュの国会議事堂のような建築なら、すべてが消えたときにその見えない軸線が目の前に開けてくるような気がしますけれど。

でも、

この沖縄の広場の空間をみて、「きれい」と叫んだ友人もいます。私の方が間違っているかもしれません。

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P1020319隈研吾さんという人は、本当に世の一般人に建築という世界を普及するために細かい仕事をこつこつと引き受けて本当に偉い人だと思いました。神様と建築界から表彰されてもいいと思います。

さて、ながながくだらない文章も最後に。

レンガに“何になりたい?”“アーチになりたい”という。

とあるケーキ屋さんがタマゴに話しかける“何になりたい?”“カスタードになりたい”

“小麦と混ざってスポンジってのはどお?”というとやっぱり“カスタードになりたい”という。

ケーキやさんは、そのタマゴでシュークリームつくることにする。

尊敬するケーキやさんのケーキは、口にすると宇宙につれていってくれます。

素材を大切しに、創造するモノの中に宇宙を生み出す人はもっとたくさんいろんな分野にもいると思う。普通はアリスのウサギは捕まえられないのです。建築をやる人は、ほかの領域の芸術に興味がない人がいるけれど、身近に宇宙との扉があるという、その存在を知って欲しいと思いました。

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